美容室帰りの服、いつの間にか変色していませんか?パーマ液が引き起こす“遅れてくる”シミの正体

美容室帰りの服、いつの間にか変色していませんか?パーマ液が引き起こす“遅れてくる”シミの正体
美容室でパーマをかけた後、いつも通りに帰ってきて、いつも通りに服をしまう。
そんな方、多いのではないでしょうか。
でも数日後、あるいは洗濯した後にクローゼットから出してみたら、襟まわりや肩のあたりが濃い茶色や赤紫っぽく変色している。
そんな経験、ありませんか?
「え、そんなところ汚れた覚えないのに」
そんな声が聞こえてきそうですが、実はこれ、パーマ液が原因で起こる、少し厄介な変色なんです。
結論からお伝えします
この変色の正体は、パーマ液に含まれる「第一剤」「第二剤」という薬品です。
第一剤には毛髪のタンパク質を変化させる還元剤、第二剤にはそれを固定する酸化剤が使われています。
どちらも水で薄めた状態で使われるので、その場で服に付いてもすぐには色が出ません。
ここが、このシミの厄介なポイントです。
なぜ、その場では気づかないのでしょうか
パーマ液は10%以下のうすい水溶液です。
付いた直後は、水がついたのとほとんど変わらないように見えます。
ところが時間が経つと、繊維に残った還元剤・酸化剤が空気や繊維の成分と反応を始めます。
洗濯したり、クローゼットにしまって時間が経ったりするうちに、じわじわと化学変化が進み、茶色や赤紫色として色が出てくるのです。
皮脂の黄ばみが「切ったリンゴが茶色くなる」酸化と似ているのと同じで、パーマ液の変色も、時間差で進む化学変化のひとつ。
私たち職人が「気づいた時にはもう色が出ている」とお話しするのは、ここに理由があります。
やってしまいがちなNG対応
「気づいたときにはもう変色していた」という状態で、次のような対応をしてしまう方が多いです。
家庭でゴシゴシこすり洗いする → 摩擦で繊維が傷み、色がさらに広がることがあります
アイロンで乾かして誤魔化す → 熱を加えると変色が固定されてしまい、あとから直しにくくなります
市販の漂白剤を直接かける → 生地によっては色抜けや傷みの原因になります
どれも「早く何とかしたい」という気持ちからやってしまいがちですが、逆に取り返しがつかなくなることもあります。まずは触らずにご相談いただくのがいちばん安心です。
シロヤでできること
この変色は、ドライクリーニングだけでは色素まで届かず、落ちにくいことがほとんどです。
シミの範囲や色の入り方によって、ポイントで狙う「ポイントしみぬき」から、状態によっては「部分しみぬき」「特殊しみぬき」まで、状態を見ながら対応させていただいています。
また、もともと色の弱い衣類は、還元剤の影響でその部分だけ脱色してしまうことがあります。この場合はしみぬきだけでは色が戻らないため、染料を使って染色補正を行い、できるだけ目立たないように仕上げる方法で対応しています。
ただし、生地の種類や色落ちの状態によって、どこまで戻せるかは一枚一枚違います。この点はあらかじめご了承ください。
最後に
パーマ液による変色は、その場で気づけないからこそ、こじらせやすいシミです。
「これ、パーマ液のせいかも?」と思ったら、あきらめる前に、まずはご相談ください。
状態を見せていただければ、無理な処理をせず、できる範囲を丁寧にお伝えします。
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